車いすを想定したマンションリフォーム - 1

車いすを想定したマンションリフォーム - 1

2001年02月14日 : 大瀧雅寛
車いすユーザー  > マンションリフォーム  

写真01

神奈川県にNさんの住まいが完成しました。Nさんご一家は50歳代の夫婦と次女の3人家族です。

ご主人が進行性の難病により、近い将来に車いすを使うことになるのを見越して、中古で購入したマンションをリフォームをした後に、引越すというものでした。

Nさんの家@神奈川県 [ n07_2001 ] 2001年1月竣工

写真02

さて、話はマンション探しから始まります。市内や周辺で30件ほどをあたったそうですが、Nさんの条件を満たしたのは、わずか中古の2軒だけでした。 結局選んだのは、各階2戸ごとにエレベーターと階段が1組ずつある、中廊下式のマンションでした。

Nさんが当時住んでいたマンションは階段しかなかったので、まずはエレベーターがあることが条件でした。次いで、マンション前の歩道からエントランス、エレベーター乗降口、共用廊下、各戸の玄関、廊下、寝室までという動線が、段差によって1ヶ所も途切れていないことが、選択の基準になりました。せっかくのエレベーターも、エントランスに数段でさえ階段があるなら、意味がなくなってしまいます。

エントランスには車寄せがありましたので、エレベーターの近くまで車をつけられます。自動車とのつながりも重要でした。雨の日の車の乗り降り、車から降りてマンション内に入るときも、濡れないですみます。エントランスドアの形式も考慮に入れました。自動ドアなら問題はありませんが、手前や奥へ開閉する形式は、車いすでの出入りが難しいものなるからです。

共用廊下は中廊下式のなので、エレベーターから住居への入り口が近くなるとともに、ほかの住戸の人とすれ違うことが少なくなります。ゆっくりと動けることが車いすの人にとっては、精神的にも楽なようです。

住戸内について条件は、間取りの変更を伴う大規模なリフォームをすることが前提でしたので、室内の間仕切り壁の性質でした。マンションの場合、コンクリートの構造壁と、部屋を仕切るためだけに設けた壁の、2種類の壁があります。間仕切り壁はほとんどが構造壁ではありませんでしたので、自由に間取りを変えやすそうでした。

車いすを使うことを考えると、寝室は広くなくてはなりません。夫婦一緒の寝室にして、ベッドやポータブルトイレを置き、車いすで室内を移動するには、10畳以上の広さが必要になります。リビング以外に10畳以上の部屋はなかったのですが、隣り合った部屋の間仕切り壁を壊して、ひとつの部屋にできそうでした。そのためにも、壁の性質を知ることが大切でした。

こうした物理的なことに加えて、窓から見える景色など、マンションの環境も大切にしました。リビングの窓から見える景色の8割近くが緑で、気持ちのよい窓際だったことも、選択の重要なポイントになりました。

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