スローライフ - 2006年1月

スローライフ - 2006年1月

2006年01月15日 : 大瀧雅寛
木の住まい - 埼玉県  > Kさんの家@埼玉県 [ k02 ]  

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Kさん宅に友人たちと一緒に訪問しました。「居心地のよい住まい」「階段(3) - 不要な廊下なるべくなくす -」のお宅です。南斜面の敷地に合わせて、半階ずつ上がっていくスキップフロアの木造2階建ての住宅です。

「窓から見える緑」だけでなく、「火のゆらめき」、「薪のこげるにおい」、「ぱちぱちと薪がはぜる音」などが、五感に語りかけてきます。

Kさんのみなさんは、スローライフな暮らしを楽しまれているようです。

Kさんの家@埼玉県 [ k02_1995 ]

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デッキにつながる掃き出し窓のとなりには、ストーブがあります。吹き抜けのあるLDKの大きな空間を、24時間暖めているのは、この薪焚きストーブです。

この薪焚きストーブは触媒方式で、少ない薪でも長時間燃焼させることが可能です。 30帖程あるLDKの暖房機器は、このストーブ1台だけです。

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薪焚きストーブがあるのが「ソファーのリビング」、そこから5段の階段を上がると、「丸テーブルのリビング」があります。それぞれ10帖程あり、つながっています。

このように床に段差があることを、「スキップフロア」と言いまして、バリアフリーの思想では、常に悪者になっていますが、上下する空間の変化の楽しさは魅力的なものです。

「いい住まい」の定義のひとつに、「座る場所によって部屋の雰囲気がかわる」というのがあります。ふたつのリビングや、それぞれの寝室は、そのことを大切にしています

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もうひとつ「いい住まい」の定義に、「来客が長居をする」というのもありました。スタンドの灯りを付けました。「白熱灯のやわらかいひかり」も最近では、悪者になりつつあります。

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半階ずつ上がっていくスキップフロアを、南斜面の緑の中に浮かぶ船のように考えました。この住まいの設計をしていた1994年、私は29才でした。

私は住まいを「船」にたとえるのが好きです。そのぼんやりとした理由は、住まいも船も、そこに乗り合わせた人たちは、運命共同体だと思うからです。

例えば、家族ひとりだけが、幸せだったり、悲しかったりするのではなくて、それらは、家族全員で共有するものだと思うのです。

それが船であって飛行機ではないのは、窓から見える景色は大きく変化しないからです。今日も明日も、昨日と似ているからです。

毎日の生活の中で見失いがちな、人と人との距離、ささやかな発見、ありふれた期待みたいなものが、私の住まいに対する主題です。

Kさんの家@埼玉県 [ k02_1995 ] 1995年7月竣工

追伸

「居心地のよい住まい」「階段(3) - 不要な廊下なるべくなくす -」のコラムにも、Kさんの住まいを書きました。