介護保険6 - 住宅の改修は先を見越して - 第06回

介護保険6 - 住宅の改修は先を見越して - 第06回 福祉用具となる入浴用の台やいすなど

介護保険に関連した住宅の改修では、大がかりな改修をしなくても、福祉用具購入費(年間10万円まで)で用具を揃えることで使い勝手をよくすることができます。


2004.11.09Masahiro Ootaki

住宅の改修は先を見越して - 居心地のよい住まい

介護保険に関連した住宅の改修では、大がかりな改修をしなくても、福祉用具購入費(年間10万円まで)で用具を揃えることで使い勝手をよくすることができます。

前にも書きましたが、ふろ場入り口の段差を解消するために置くすのこが対象です。ほかに、入浴用のいすや台、ポータブルトイレ、段差をなくすための固定しないスロープなどが福祉用具となります。種類は多くありませんが、住宅改修と一緒に、あるいは用具購入だけででも検討してみてください。当たり前のことですが、介護保険は要介護または要支援に認定された人しか使えません。しかし、保険が使えないからといって、住宅改修を後回しにするのは考えものです。

ある70代のご夫婦の住宅を改修したことがあります。築30年以上の家で、台所と浴室を直して欲しいという話でした。バリアフリー化の要望はなかったのですが、我々で工事を受けた以上床工事などもしました。リフォームというとまず見た目を気にする人が多いのですが、そのご夫婦は「使い勝手をよくして欲しい」と希望がはっきりとしていました。

改修工事では従来のままの部分との境目に、どうしても見た目の悪い部分が残ります。そのため、壁紙を壁一面すべて張り直すなどの工事をします。しかし、その住宅では限られた予算を有効に使おうと、壁紙の張り直しなどの工事は一切せず、その予算を床や手すりに回しました。その家の奥さんが、ひざを悪くして歩くのが少し不自由になったのは、その一年後のことでした。「家の中で安心して動けるのがありがたい」と言われた時にはうれしく思いました。

この逆の例はあまりにも多いのです。足が悪くなり、転倒して大きなけがをしてから、床を直しても遅いのです。介護保険にとらわれずに、先、先を見越して住宅の改修をすることを考えてみてください。

大瀧雅寛 = 2000年11月9日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから