まとめ(3)- 「業者任せはダメ」忘れずに - 第48回

まとめ(3)- 「業者任せはダメ」忘れずに - 第48回

住宅の工事を依頼する先は、大手ハウスメーカー、地元の工務店、設計事務所と様々です。大きな業者、小さな業者、それぞれ一長一短がありますので、どちらが良いとは一概にはいえません。

大切なことは、依頼主が言う「素人」の話を、丁寧に聞いてくれるかどうかだと、私は思っています。しかし、ただ聞いてくれるだけでは困ります。その上で、依頼主が気が付かなかった点について、的確なアドバイスをしてくれるかどうかです。

一般の人が住宅の建築や改築に関与することは、一生にそう何度もあるわけではありません。しかし、業者はそれを毎日仕事としているわけですから、その経験の差は、本来驚くほどのものになるはずです。素人である依頼主に対して、誠実に対応するとともに、「さすがプロ」と思わせるものがなくてはならないと考えるのです。

具体的な業者の選び方として、私がお勧めしている方法が、業者に「今まで造った住宅を案内して下さい」と頼んでみることです。

そういわれて、案内できる住宅が多い業者は、工事の後も依頼主といい関係を保っている証拠です。設計や施工もよく、工事金額も適正で、アフターサービスもしっかりしている結果なのです。

もちろん、その際に実際に住んでいる人に、住み心地を聞くことは大切です。写真や図面だけでは気が付かなかったことも、必ず分かるでしょう。

そして、どんなにいい業者に頼んだとしても、業者任せにしてはいい住まいは造れないということは忘れないでください。住むのは業者ではありません。依頼主です。依頼主が新しい住宅での生活のイメージを、業者に正確に伝えることが、居心地のよい住まい造りの第一歩なのです。

大瀧雅寛 = 2001年9月19日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから