リフト - 車の乗降の便利さを視野に - 第08回

リフト - 車の乗降の便利さを視野に - 第08回 駐車場の奥に、車いす用のリフトを設置した

埼玉県大井町の60代のご夫婦は、奥さんが脳こうそくによる左半身まひのため、車いすを使うようになりました。遠出するときは夫の運転する車に乗ります。そのご夫婦から、車いすでも出入りしやすいようにして欲しいと、住宅の改修を依頼されました。


2004.11.30Masahiro Ootaki

車の乗降の便利さを視野に - 居心地のよい住まい

この住宅でも、玄関を改造しようとすると、いくつもの段差があって難しそうでした。そこで、駐車場の奥を改造することにしました。車いすの人を含め家族みんなが、車の乗り降りに便利なようにと考えたからです。駐車場に面した居間に、2メートルと開口幅の広い掃き出し窓を新設し、それを出入り口にしました。


前回の住宅のように、長さ10メートルものスロープを設ける余裕はこの敷地にはもうありません。そのため、奥さん用には機械式の段差解消リフトを使うことにしました。夫も同時に出入りできるようにと、そのわきには階段を取り付けました。段差解消リフトは車いすごと上げ下げしてくれる機械です。


だいたい30−80センチぐらいまでの段差をなくすのに有効な機械で、最近では30−60万円程度と多少利用しやすくなりました。この家では、1.3平方メートルほどの地面にコンクリートを打ち、その上に機械を設置しましたので、工事も比較的楽でした。屋外に取り付けましたが、その後半年間、トラブルもなく動いています。


車いすでの車の乗り降りには、思っている以上の時間がかかります。ですから、雨の日のことを考えて、車置き場とリフトの上には簡単な屋根を設けました。さらに夜間のことも考えて、明るさが確保できるように60ワットの照明を取り付けました。


車いす利用者だけではなく、現代の生活では多くの人にとって、車とのつながりは大切です。家の建築や改造では自動車を使いやすくすることも視野に入れてください。

大瀧雅寛 = 2000年11月30日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから