浴室 - 入浴台外せば介助スペースに - 第10回

浴室 - 入浴台外せば介助スペースに - 第10回 浴槽のわきに入浴台を置いた。取り外せば、介助者用のスペースになる

住宅を改修するときにまず考えなくてはいけないのが、費用と効果の問題です。とくに浴室の改修は思っている以上に費用がかかるので、お金を入浴のしやすさのために有効に使って欲しいと思います。


2004.12.14Masahiro Ootaki

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築30年の一戸建て住宅の浴室を直したことがあります。60代後半の男性とその次男の2人暮らしの住宅です。

この男性は脳こうそくで軽いマヒになったため、入りやすい浴室に直すように頼まれました。

現在、浴室は壁にタイルをはる在来工法とユニットバスの大きく分けて二種あります。この家の浴室は在来工法です。

完全に直すと、どちらの方法でも100万円以上かかります。そこで、天井や壁、開口部はそのまま残し、できる限り費用をかけない工事にしようと考えました。

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床は全面的にタイルをはり、その上に浴槽とすのこを置くことにしました。すのこの上面が廊下の床と平に、すのこの上面から浴槽の縁までが45センチになるように調節しました。

すのこは二分割にできる樹脂製の軽いものです。浴室内にあったふろがまは屋外に置き、そのスペースに特注で樹脂製の入浴台(横40センチ、奥行き75センチ、高さ45センチ)を置きました。

男性が入浴するときには、立ったまま浴槽に入るのではなく、いったんこの台に腰掛け、体を滑らせて浴槽に入ってもらっています。

入浴台をただ置くだけにしたのは、今後、介助が必要になった場合には、この台を外して、介助する人の立つ場所にと考えたからです。

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壁には入り口以外の3面に、用途に合わせた高さの手すりを取り付けました。シャワーは手元で水を出したり止めたりできるハンドシャワー式のものを選びました。

見た目がまっさらになったわけではありませんが、使いやすく、これから先の身体状況の変化に融通の利く浴室になったのではないかと思っています。

大瀧雅寛 = 2000年12月14日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから