洗面室 - トイレとの壁取りスペース拡大 - 第12回

洗面室 - トイレとの壁取りスペース拡大 - 第12回 洗面所とトイレの境の壁を取り去り、アコーディオンカーテンにした

住宅の改修を頼まれて、痛感するのが水回りの狭い家が多いことです。浴室1.5畳分、洗面室1.5畳分、トイレ1畳分という広さの家が平均的です。


2004.12.28Masahiro Ootaki

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洗面室といっても、洗面台があり、かつ脱衣場となり、洗濯機置き場などの機能を兼ねている家がほとんどですから、最低で2畳分、3.3平方メートルは欲しいところです。

この広さがあれば2人でも動けますし、車いすでも使いやすくなります。

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70代の両親と50代の車いすを使う長女が住む家を改修したときもやはり、狭い洗面室とトイレでした。

広げようにも他にスペースがなかったので、トイレと洗面室の境の壁を取り払い、アコーディオンドアで仕切ったワンルームにしました。

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この家は3人家族だったのでよかったのですが、家族が多いときはこのワンルームではどうしても、「トイレと浴室を同時に使いにくい」と不満がでるようです。

その場合は、洗濯機の置き場を別に作り、洗濯機を移動させるだけでも、洗面室を広げるのと同じ効果があります。

洗面台は木製の特注です。下部はひざが入るようにオープンになっているので、車いすでも使えます。

車いすの長女だけではなく、両親にもいすに座って顔が洗えると好評です。物入れとして、引き出しのついたワゴンを洗面台の下に置きました。

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以前にもこれと同じ洗面台を、80代の母親と娘が住む家に取り付けたことがあります。お母さんが顔を洗いやすいか、歯を磨きやすいかだけを考えていたのですが、いざ、使い始めると、お母さんは毎朝、1時間ほどこの洗面台の前で鏡に向かうようになりました。

いつまでも美しくありたい、という気持ちになったようです。それが、外に出ていくことや、友人を招くことのきっかけにもなっていきました。家を改修するときには、単にバリアフリーを考えるのではなく、人の心を大切にすることが大切だと考えさせられた仕事でした。

大瀧雅寛 = 2000年12月28日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから