ダイニング - 家の中心としての機能が大切 - 第19回

ダイニング - 家の中心としての機能が大切 - 第19回 景色を大事にしたダイニング(工事中)

埼玉県川越市でいま、住宅を建てています。30代の夫婦と幼稚園児の娘2人、それに新居の完成と同時に同居する夫のお母さん(60代)の家です。建築に取りかかるまでに約9カ月かかりました。ひと月に一度のペースで、建築主とじっくりと話し合い、会うたびに設計図面を書き換えていきました。


2005.02.22

家の中心としての機能が大切

この家でとくに重点を置いたのが、ダイニング(食堂)です。延べ172平方メートルと広い家なので、台所、ダイニング、リビングと3つに分けて考えることができました。

ダイニングというと住宅の東南や南側にすることが多いようですが、あえて北西隅に置きました。暖かな東南隅をお母さんの寝室にしたかったのです。

また、北西側からは自然豊かな森が見えます。その景色を生活の中に取り入れたかったので、北と西にそれぞれ大きく窓を取りました。

建築主はダイニングにはテレビを置かない方針です。四季の自然の移り変わりを、食事をしながら感じ取ってもらえたらうれしい、と思っています。

面積は11平方メートル。天井は吹き抜けにし、朝の採光のためにトップライト(天窓)を設けてあります。

家の中心としての機能が大切

ダイニングは単に食事をするだけの部屋ではありません。建築主との話し合いの中で、家の中心としての機能を大事にしようと考えました。

子供部屋はダイニングに隣接した台所の上にし、リビングとダイニングを通って上がっていくようにしました。

子供部屋からは小窓を通して、ダイニングを見下ろすことができます。また、なるべく廊下は作らないようにしました。

台所は約9平方メートル。お母さんと奥さんの2人が一緒に動きやすいように「I型」の流し台にしました。

さらに別に、お母さん専用に約6平方メートルの台所も作りました。食堂で三世代そろって食事をしてもらってもいいですし、時にお母さんには気ままに食事してもらってもいいとの考えです。

大瀧雅寛 = 2001年02月22日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから