階段(2)- 幅を広く傾斜はゆったりと - 第23回

階段(2)- 幅を広く傾斜はゆったりと - 第23回 緩やかに造った階段。幅も広い

バリアフリーをうたう住宅では、階段はいわば悪者です。しかし、階段が生み出す上下の空間の変化の楽しさは、捨てがたいものがあります。写真は「ダイニング」の章で取り上げた住宅の階段です。


2005.03.22Masahiro Ootaki

幅を広く傾斜はゆったりと

ダイニングと2階の個室とはこの階段でつながっています。だからこそ、私はこの階段を家の中でも一番明るい場所にしました。階段の斜め上に、天窓を設けてあります。

幅を広く傾斜はゆったりと

完成した家にお邪魔したら、2人の娘さんたちが階段に座って本を読んでいました。小さな子供たちは階段が好きです。その階段から、食卓まではすぐ近く。子供と大人とが、知らず知らずのうちに楽しくお話しできそうです。

幅を広く傾斜はゆったりと

この階段、できるだけ使いやすいようにと工夫しました。まず、階段の有効幅は90センチにしました。ふつうの住宅の階段は75センチです。

広くしたことで、階段ですれ違うことができます。階段一段の高さ『蹴上(けあ)げ』は、22センチの住宅が多いのですが、ここでは18.5センチにしました。

階段一段の奥行き『踏み面(づら)』は26.7センチと、足がしっかりとのるものです。この階段の角度は、35度とゆるくなりました。一般的な住宅では45度程度です。

幅を広く傾斜はゆったりと

さらにすべりにくくするために、階段の段板にはタイルカーペットを張りました。また、つま先がひっかからないように段板には出っ張り(段鼻)をなくしました。板とカーペットを組み合わせたことで、上から見下ろしたときに、階段の一段一段がはっきりとわかります。

幅を広く傾斜はゆったりと

この家だけではなく一般的に、上り下りする際に、足元に影がでないように、階段は明るくしたいと考えています。ですから、照明は二カ所必要です。

幅を広く傾斜はゆったりと

一般住宅用のホームエレベーターも、徐々に価格が下がってきています。上下階とも階段わきに、2畳ほどの納戸を造っておき、将来のエレベーターのスペースにするという考えもあります。

大瀧雅寛 = 2001年03月22日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから