1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

昭和30年台に建てられたこのお住まいは、今時の住まいがどこかに置き忘れてしまった、「おおらかさ」が魅力的です。ファミリールームとして使われているこの部屋は、10帖の広さで天井の高さは346cm。この気持ちのいい空間に、はしご付きの大きな本棚を造りました。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚 今から55年ほど前、この部屋はピアノ室として計画されました。東京オリンピックの数年前です(2017.07.01)

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

このお住まいの玄関の壁には、大谷石がアクセントになっています。左側のドアの向こうがファミリールームです。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

玄関の大谷石の裏側の壁に、本棚を造りつけることになりました。この本棚の幅は242cm、高さは262cmと大きなものです。1台の本棚というよりは、3台の本棚が重なったような形です。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

上段は手が届かないで、可動式のはしごを造りました。軽くするためにパイン材を選びました。一方、本棚の素材は、タモの板目の突板です。大きな本棚なので、圧迫感が出ないようにできるだけ薄くしました。上段と中段は、奥行き23cm、下段は奥行き39cmです。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

上段は3段、17cmから21cmの高さの本を並べます。中段は4段と3段の組み合わせです。4段の場合は21cmの高さの本を、3段の場合は29cmの高さの本を並べます。

この上段と中段で、15mの収納長さを確保しました。本の厚さを1.8cmとすると、836冊収納できます。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

下段は、引き違い扉の中に、30cmの高さの本を2段収納できます。収納長さは364cm、本の厚さを1.8cmとすると、202冊収納できます。本棚全体で1038冊収納できるのですが、ピンとこないのですね...。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

日用品を収納できる4段の引き出しも造りました。引き出しの高さを変え、収納するものに合わせました。引き手は取り付けずに、引き出し前板の下部に指のかかる引き手を彫り込みました。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

下段の引き違い扉は必ずしも必要なかったのですが、おおらかな空間の中では、デザインが引き締まると考えたからです。下段の高さを90cmと高めにしたのも、同様の理由からです。

家具の塗装は工房ではなく、取り付け後に行いました。色の調合を考えていく中で、天井の板の色を目標にしました。はしごはお手持ちのテーブルに合わせました。

1038冊収納できる、はしご付きの大きな本棚

童謡「大きな栗の木の下で」、 『なかよく(たのしく)遊びましょう』と幼いとき歌った思い出があります。 このはしご付きの大きな本棚の周りには、本だけではなく家族の大好きなものが、たくさんあります。

この本棚は、家族の楽しい思い出が集積していくような、「大きな栗の木」になって欲しいと願いました。


私は住まいを「船」にたとえるのが好きです。そのぼんやりとした理由は、住まいも船も、そこに乗り合わせた人たちは、運命共同体だと思うからです。