表千家のお茶室、現代の材料で水屋をつくる〈2016-0605〉

マンションの中にある表千家の教室です。和室を8帖の京間にするリフォームにあわせて、水屋も新しく造り替えました。表千家の手本をただ写すだけでなく、この決められた条件の中で、合理的に解決していくことを大切にしました。

表千家のお茶室、現代の材料で水屋をつくる 水屋の棚は、どのように使われるかによって、桧・杉・竹を使い分けること(2016.04.29)

2016.06.08

水屋の棚

水屋の上部には、3種類の棚があります。右側の隅あるのが、「隅棚(すみだな)」、流しの上には、広い幅の2段の棚があります。上段が「通し棚」、下段が「すのこ棚」です。

水屋の棚

「隅棚(すみだな)」は、大きさ約27cmの正方形の2段の釣り棚です。乾いている大切なものを置くので桧板でつくり、竹で釣っています。

水屋の棚

上段の「通し棚」は、奥行き約29cmの桧板でつくりました。この棚も乾いている大切なものを置きます。桧板には、たけのこ模様の美しい木目があります。たけのこ模様の広い方が木の根です。根が左側にくるような木目を割り付けることが、お茶のきまりです。

水屋の棚

下段の「すのこ棚」は、奥行き約24cmの杉板でつくりました。この棚には濡れたものを置くので、2本の竹を入れて水はけをよくします。濡れたものを置く棚は、桧でなく杉にするのも、お茶のきまりです。

水屋の棚

「通し棚」「すのこ棚」の下の流しを、「水皿(みざら)」 と言います。水皿に、竹で作ったすのこを敷きました。

水屋の棚

本来「水皿(みざら)」は、銅板でつくりますが、汚れがつきにくいステンレス製にし、耐久性・清掃性を優先しました。水皿の排水口は、キッチン用の排水トラップを取り付けました。

水屋の棚

水がはねてもいいように、3方向を腰板で囲みます。腰板も濡れるので杉板にし、根が左側にくるような木目を割り付けました。赤みと白みの木目がはっきりと出るのが、杉板の個性です。

水屋の棚

水栓は2口にし、浄水器も使えるようにしました。腰板には、柄杓(ひしゃく)や茶筅(ちゃせん)を掛けるための、竹釘を取り付けました。

水屋の棚

水屋を新しく造り替えるにあたり、「水皿(みざら)」は、銅板にするか、ステンレスにするか迷いましたが、合理的に考えました。また、すのこの高さは床と平にするのが、本来の納まりですが、それでは、溢れた水で服が濡れてしまので、9cmほど高くしました。