トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢で」〈2015-0423〉

2016.05.15

車いすユーザーの娘さんのための、トイレのバリアフリー改修を依頼されました。入り口の手前の廊下で車椅子をとめ、お母さんが娘さんを抱えた状態で移動します。娘さんは10代になり、成長に合わせた改修が必要になったとのことでした。

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢で」 トイレの床段差を解消し、体幹が前傾できる跳ね上げ式のテーブルを設置しました


バリアフリーの目的

  • トイレへ安全にトランスファーをしたい
  • 排泄中、安定した姿勢を保持したい
  • 便座に座る時間が長いため、目をはなせるようにしたい

子どものトイレバリアフリー

トイレの大きさは1.5帖ほどで、手洗いキャビネットが付いていました。便器の正面が入り口のレイアウトです。

子どものトイレバリアフリー

トイレの入り口は片開き戸で、6㎝程度の段差がありました。今回のバリアフリー改修工事では、トイレの床全体を下げて廊下との床段差をなくすことが必要でした。

姿勢評価:改修前の排泄姿勢

子どものトイレバリアフリー

腹圧をかけている時の排泄姿勢です。普段は、トイレのフタによりかかり、姿勢を保持しているようでした。排泄中、「ずり落ち」「右への傾き」など姿勢が崩れてきた際、娘さんがお母さんを呼び、姿勢をなおしている状況です。

第1案:傾き防止、ずり落ち防止

子どものトイレバリアフリー

傾き防止、ずり落ち防止のためにトイレのフタの後ろに手すりを床から立ち上げ、体幹ベルトで体を固定するプランを立てました。

しかし、体幹ベルトだけで傾き、ずり落ちを防止すると、「筋緊張が亢進してしまうのではないか?」「体を前方に傾けてあげた方が良い姿勢が保てるのではないか?」疑問が出てきました。→ 疑問を解消するため病院の担当PTに相談しました。

第2案:傾き防止、ずり落ち防止、筋緊張亢進の防止

子どものトイレバリアフリー

病院スタッフの情報から、娘さんにとっての良い姿勢は体幹を軽度前傾させ、前方にあるテーブルに体をもたれさせた姿勢だとわかりました。

バリアフリーの改修後

腹圧もかかり、筋緊張亢進を防止できそうです。そこで、体幹が前傾できる跳ね上げ式のテーブルを設置することにしました。跳ね上げ式であれば、移動の妨げにもなりにくくなります。

子どものトイレバリアフリー

改修後、らくな姿勢がとれているか見せていただきました。実際に拝見すると、以前より遙かによい姿勢が保てていました。「らくです。大丈夫!!」

子どものトイレバリアフリー

お母さんからも「右への傾きやずり落ちもなくなって、目を離しても大丈夫」と。跳ね上げ式の手すりなので、トランスファーの邪魔にならず、かつ、家族が使うときにも邪魔にならないようです。

「便器のフタは取り外したくない」とのご家族の希望から、背もたれは設置はしませんでした。背もたれが必要になったときは、取り付けられることができます。