「健側」に合わせた、車いすで使いやすい水回りスペース
〈107〉
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半身まひが生じた方の、動かしにくい側を「患側」、動かしやすい側を「健側」といいます。患側が左右のどちらなのかによって、バリアフリーリフォームのプランは大きく変わります。車いすユーザーの住まいてさんは、右半身を自由に動かすことが苦手な方でしたので、水回り全般で、左側が使いやすくなる工夫を考えました。
2019.01.17
「自分のことをできるだけ、自分できるようにしたい」、
住まいてさんは、右半身を自由に動かすことが苦手な方でしたので、
健側である左側で使いやすいような、水回りの工夫を考えました。
リフォーム前、このトイレのスペースは廊下だったところです。
右側の引き戸を開けると、玄関や2階への階段につながります。
もちろん、不便なことも多いのですが、「便器の左側に手すり」
というポイントで考えると、このアイディアがベストでした。
トイレに移乗するときは、車いすを便器の斜め前に近づけます。
左手で縦手すりをつかみ、回転するように移乗します。
手すり・リモコン・紙巻器などを、壁に取り付けましたが、
便器に座った時の左側になるので、左手で操作しやすくなっています。
便器を斜めにするのに合わせて、側面の壁も斜めにしました。
手すりやペーパーホルダーやリモコンが、便器に腰掛けた時に、
左側になるようにしました。この壁の厚みを収納にしました。
車いすの座面高さよりも、便器の座面高さが4cmほど低かったので、
便器の下にかさ上げ台を取り付け、それぞれの高さを揃えました。
寝室ではベッドの位置も考慮しています。ベッドからの移乗は、
移乗しやすい方向があるからです。移乗する時間がかかるので、
ベッドとトイレの距離を、できるだけ短くした間取りにしました。
車いすで使いやすい様に、下部がオープンな洗面台を選びました。
コップなどが置きやすい様に、水平面が多いカウンタータイプです。
この洗面台は水栓の位置は選ぶことができ、左側に取り付けました。
引出しなどの収納も、左手でものの出し入れしやすい左側にしました。
動かしやすい左足から、浴槽に入るレイアウトです。
浴室の洗い場の左側の壁を背にして、バスチェアを置く予定です。
スライド・バー式のシャワーフックは、手すりを兼ねたものです。
浴室の入口は、開口幅が広い3枚引き戸にしたので、
シャワーキャリーで、洗い場まで入りやすくなりました。
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