シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を置くことに〈115〉

当初、この浴室の増築したとき、「浴槽をまたぐには腰に負担がかかってしまうので、浴槽の代わりにシャワー椅子だけを付けて欲しい」と、依頼されたのでした。ですが私は考えました。住まいてさんは、将来、湯船につかりたくなるかもしれない。小さくても浴槽が置けるスペースを確保しておこうと。数年後、私の予想は、現実のものとなりました。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を置くことに


寒くなるとやはり湯船につかりたい。肩まで浸からなくていいので、

またぎやすい浴槽がほしい、とのことでした。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を『後から』設置

浴室の増築の際に、壁を背にして座るシャワー椅子を取り付けました。

使わない時は折りたためます。ハンドシャワーが付いているのですが、

介助者が利用するハンドシャワーを、壁に取り付けました。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を『後から』設置

木製浴槽の材質は、高野槇(まき)、内寸は「55cm x 110cm」です。

浴槽を囲う様に壁に手すりを取り付けました。浴槽専用の水栓はなく、

2ヵ所のハンドシャワーから、お湯を入れていきます。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を『後から』設置

またぎ高さ「40cm」が、安全にまたげる最大限の高さでした。

浴槽深さは「35cm」と浅くなってしまい、半身浴しかできませんが、

この『またぎやすさ』を、最優先することになりました。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を『後から』設置

浴室こそ暖かくすることが大切で、天井には、温水循環式の暖房機、

床のタイル下にも、温水循環式の床暖房を入れてあります。

暖かくする工夫がもう一つあります。「暖色」にすることです。


浴室の天井はホワイトが一般的ですが、実は天井を貼り終えたとき、

住まいてさんから「水回りは暖色にしたかった... 」と言われたのです。

私はもっともだと思ったのですが、ピンク色の浴室天井材はなく、

天井をピンク色に塗装しました。また、壁や床のタイルも同様に、

淡いピンク色のタイルにし、目地は濃いピンク色に変更しました。

この住まいてさんの仕事以降、私は住まいてさんの年齢に関わらず、

色の選定も時間をかけて、打ち合わせさせてもらう様になりました。

シャワー浴できる浴室に、またぎやすい木製浴槽を『後から』設置

もうひとつ、付け加えたいことがあります。それは誰にでも、

「思い出したくないこと」があるのでは、ということです。

住まいてさんが、ホワイトのタイルを嫌った理由は、

『真っ白なタイルを見ると、手術室を思い出してしまう』

とのことでした。単に、色の好き嫌いだけではないのでした。