高さ(3)- 取っ手やスイッチは使いやすく - 第39回

高さ(3)- 取っ手やスイッチは使いやすく - 第39回 取っ手やスイッチは低めに付けたい

気を付けたい高さの三つ目は、取っ手やスイッチ、コンセントなどの作業しやすい「手元の高さ」です。例えばスイッチなどは、これまでの住宅では、床から120〜130センチのところに付けることが多かったのですが、最近では90〜100センチが目安です。車いすでの使いやすさを考えるからです。また、この高さなら、床に座った状態からでも手が届きます。


2005.07.11

取っ手やスイッチは使いやすく

スイッチは操作しやすい大型を選ぶと便利です。逆に、コンセントはこれまでは床から20〜30センチほどの高さが多かったのですが、40〜50センチと高めに取り付けることが増えています。立った姿勢から、あまりかがまずに抜き差しできるようにと考えたためです。


ドアの取っ手の位置は90〜100センチの高さにすることが多く、私はスイッチの高さにぴったりそろえるようにしています。それでも、車いすの利用者にとって高い場合があるので、80センチまで下げることもあります。


このほか、住宅の中には、いすや踏み台を使うことを前提にしたような、高い位置にある物がいろいろとあります。例えば、住宅内に電気を取り入れる分電盤です。


いざ、明かりが消えたときに復帰させようとしても、ドアの上のような高い位置にあるのでは、大変面倒ですので低くします。その際は、壁埋め込み式のコンパクトなタイプを選んでいます。


同じことは、照明器具でもいえます。高い位置にあると、電球や蛍光灯の交換が非常に手間がかかります。そのために私は、天井に付けるのではなく、壁に取り付ける照明器具を薦めています。


収納も同じです。高齢になってくると、高い位置にある釣り戸棚は実際には使えません。踏み台などを使わずにすむ、ひざから肩ぐらいまでの高さの収納場所を充実させています。

大瀧雅寛 = 2001年07月11日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから