「1038冊」収納、はしご付きの大きな本棚〈9951〉

2017.07.02

今から55年ほど前、昭和30年代に建てられたこのお住まいは、今時の住まいがどこかに置き忘れてしまった、「おおらかさ」が魅力的です。ファミリールームとして使われているこの部屋は、10帖の広さで天井の高さは346cm。この気持ちのいい空間に、はしご付きの大きな本棚を造りました。

「1038冊」収納、はしご付きの大きな本棚 今から55年ほど前、この部屋はピアノ室として計画されました。東京オリンピックの数年前です(2017.07.01)


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このお住まいの玄関の壁は、大谷石がアクセントになっています。

左側のドアの向こう側が、ファミリールームです。

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玄関の大谷石の裏側の壁に、本棚を造り付けることになりました。

この本棚の幅は242cm、高さは262cmと大きなものです。

1台の本棚というよりは、3台の本棚が重なったような形です。

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上段は手が届かないで、可動式のはしごを造りました。

はしごを軽くするために、パイン材を選びました。

一方、本棚の素材は、タモの板目の突板です。

大きな本棚なので、圧迫感が出ないように、できるだけ薄くしました。

上段と中段の奥行きは、奥行き23cm。下段は奥行きは、39cmです。

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上段は3段、17cmから21cmの高さの本を並べます。

中段は、4段と3段の組み合わせです。

4段の場合は、21cmの高さの本を並べます。

3段の場合は、29cmの高さの本を並べます。

この上段と中段で、15mの収納長さを確保しました。

本の厚さを1.8cmとすると、「836冊」収納できます。

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下段は引き違い扉の中に、30cmの高さの本を2段収納できます。

収納長さは364cm、本の厚さを1.8cmとすると、「202冊」収納できます。

本棚全体で「1038冊」収納できるのですが、ピンとこないのですね... 。

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日用品を収納できる、4段の引き出しも造りました。

引き出しの高さを変え、収納するものに合わせました。

引き手は取り付けずに、引き出し前板の下部に、

指のかかる引き手を、彫り込みました。

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下段の引き違い扉は必ずしも必要なかったのですが、

おおらかな空間の中で、デザインが引き締まると考えたからです。

下段の高さを90cmと高めにしたのも、同様の理由からです。

家具の塗装は工房ではなく、取り付け後に行いました。

色の調合を考えていく中で、天井の板の色を目標にしました。

はしごの色は、お手持ちのテーブルに合わせました。

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『なかよく(たのしく)遊びましょう』。

「大きな栗の木の下で」は、 誰もが好きな童謡ですね。

この「はしご付きの大きな本棚」の周りには、

本だけではなく家族の大好きなものが、たくさんあります。

この本棚は、家族の楽しい思い出が、集積していくような、

「大きな栗の木」になって欲しい、と願いました。