表千家のお茶室、現代の材料で水屋をつくる〈9867〉

2016.06.08

マンションの中にある表千家の教室です。和室を8帖の京間にするリフォームにあわせて、水屋も新しく造り替えました。表千家の手本をただ写すだけでなく、この決められた条件の中で、合理的に解決していくことを大切にしました。

表千家のお茶室、現代の材料で水屋をつくる 水屋の棚は、どのように使われるかによって、桧・杉・竹を使い分けること(2016.04.29)


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水屋の上部には、3種類の棚があります。

右側の隅あるのが、「隅棚(すみだな)」、

流しの上には、広い幅の2段の棚があります。

上段が「通し棚」、下段が「すのこ棚」です。

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「隅棚(すみだな)」は、大きさ約27cmの正方形の2段の釣り棚です。

乾いている大切なものを置くので桧板でつくり、竹で釣っています。

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上段の「通し棚」は、奥行き約29cmの桧板でつくりました。

この棚も乾いている大切なものを置きます。

桧板には、たけのこ模様の美しい木目があります。

たけのこ模様の広い方が木の根です。

根が左側にくるような木目を割り付けることが、お茶のきまりです。

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下段の「すのこ棚」は、奥行き約24cmの杉板でつくりました。

この棚には濡れたものを置くので、2本の竹を入れて水はけをよくします。

濡れたものを置く棚は、桧でなく杉にするのも、お茶のきまりです。

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「通し棚」「すのこ棚」の下の流しを、「水皿(みざら)」 と言います。

水皿に、竹で作ったすのこを敷きました。

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本来「水皿(みざら)」は本来、銅板を折り曲げ、

隅を溶接して造りますで、耐久性の点では不安が残ります。

教室の水屋であること、マンションであることを考慮し、

ステンレス製にして、キッチン用の排水トラップを取り付け、

汚れがつきにくく、掃除がしやすくなりました。

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水がはねてもいいように、3方向を腰板で囲みます。

腰板も濡れるので杉板にします。

杉板にも、赤白のたけのこ模様の木目があります。

たけのこ模様の広い方が木の根です。

根が左側にくるように、左側面から奥、右側面と、

連続するように木目を割り付けました。

赤みと白みの木目がはっきりと出るのが、杉板の個性です。

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水栓は2口にし、浄水器も使えるようにしました。

腰板には、柄杓(ひしゃく)や茶筅(ちゃせん)を掛けるための、

竹釘を取り付けました。高さは、柄杓の柄(え)の長さに合わせます。

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水屋を新しく造り替えるにあたり、「水皿」は銅板にするか、

ステンレスにするか迷いましたが、合理的に考えました。

また、すのこの高さは床と平にするのが、本来の納まりですが、

それでは、溢れた水で服が濡れてしまので、9cmほど高くしました。