オオタキラジオ・まえがき〈9998〉

住まいを設計するという仕事は、みなさんが想像する以上におもしろいものです。ひとつひとつの住まいで、ひとつひとつの物語に出会えるからです。そして、住まいてである家族さんから、たくさんのことを学べるからです。「こうなったらいいね」という、設計上のアイディアの多くは、住まいてである家族さんから出てきます。

オオタキラジオ・まえがき 熱海は海岸と山との距離が短く、坂道だらけの街ですが、何ともホッとします。そんな熱海の街並みを見下ろしているのは、私だけではありませんでした。リゾナーレ熱海の6階の客室より(2012.08.17)


ときに設計の話から外れて、家族のありかたとはなんだろう、

自分の人生を、どうやって整理していくかなど、

奥の深い話を聞くことも多くありました。

そういった話を、私のこころの中にしまっておくだけでなく、

多くのひとに伝えたいという気持ちが、自然と湧いてきました。


「オオタキラジオ」は、「居心地のいい家に住みたい」と、

望んでいるひとならだれでも、学生から高齢の方まで、

幅広く読んでもらえるようにします。

どこからでも読み始め、どこで閉じてもいいような、

気楽な構成にしています。

「居心地のいい家」とはなにかについて、

みなさまにも、考えてもらえるならうれしいです。

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「ラジオ」といえば、話は変わりますが、

谷川俊太郎の詩「古いラジオ」を、ご紹介させてください。

古いラジオからかすかに人声が聞こえる

その声は古いラジオがまだ新しかったころの

それがとうてい買えなかったころの

少年の日のぼく自身の声みたいだ

古いラジオ『世間知ラズ』谷川俊太郎

普通、20代を少年とは、言いませんよね。

しかし、建築家としての充実してくるのは、60歳からなので、

建築家を目指すのなら、20代は、やはり少年なのです。

家族からも、『まるで、小学生みたい』と、よく言われています... 。