トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢で」〈9753〉

2017.05.15

車いすユーザーの子どもさんのために、トイレのバリアフリー改修を依頼されました。入口の手前の廊下に車いすをとめ、お母さんが子どもさんを抱えた状態で移動していました。ですが、『子どもさんは10代になり、成長に合わせた改修が必要になった』とのことでした。

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢で」 「便器のフタは取り外したくない」とのご家族の希望から、タンクに背もたれは設置はしませんでした。背もたれが必要になったときは、取り付けられることができます(2018.02.22)


バリアフリーの目的

• トイレへ安全にトランスファーをしたい

• 排泄中、安定した姿勢を保持したい

• 便座に座る時間が長いため、目をはなせるようにしたい

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

トイレの大きさは1.5帖ほどで、手洗いキャビネットが付いていました。

便器の正面が入り口になる、一般的なレイアウトです。

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

トイレの入り口は片開き戸で、6㎝程度の段差がありました。

今回のバリアフリー改修工事では、トイレの床全体を下げて、

廊下との床段差をなくすことが必要でした。


姿勢評価:改修前の排泄姿勢

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

腹圧をかけている時の『排泄姿勢』です。

普段は、トイレのフタによりかかり、姿勢を保持しているようでした。

排泄中、「ずり落ち」「右への傾き」など姿勢が崩れてきた際、

子どもさんがお母さんを呼び、姿勢をなおしている状況でした。


第1案:傾き防止、ずり落ち防止

第1案では、傾き防止、ずり落ち防止のために、

トイレのフタの後ろに、手すりを床から立ち上げ、

体幹ベルトで体を固定する、プランを立てました。

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

しかし、体幹ベルトだけで傾き、ずり落ちを防止すると、

「筋緊張が亢進してしまうのではないか?」

「体を前方に傾けてあげた方が良い姿勢が保てるのではないか?」

と疑問が湧き、病院の担当スタッフに相談しました。


第2案:傾き防止、ずり落ち防止、筋緊張亢進の防止

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

病院の担当スタッフの情報から、娘さんにとっての良い姿勢は、

体幹を軽度前傾させ、前方にあるテーブルに、

体をもたれさせた姿勢だとわかりました。


バリアフリーの改修後

腹圧もかかり、筋緊張亢進を防止できそうです。そこで、

体幹が前傾できる、跳ね上げ式のテーブルを設置することにしました。

跳ね上げ式であれば、移動の妨げにもなりにくくなります。

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

改修後、楽な姿勢がとれているか、見せていただきました。

実際に拝見すると、以前より遙かによい姿勢が保てていました。

『らくです。大丈夫!!』

トイレのバリアフリーは「子どもさんにとって良い姿勢に」

お母さんからも、『右への傾きやずり落ちもなくなって、目を離しても大丈夫』とのことでした。

跳ね上げ式の手すりなので、トランスファーの邪魔にならず、

かつ、家族が使うときにも邪魔にならないようです。