スローライフ - 薪ストーブがやさしいLDK〈2015-1109〉

2016.06.15

南斜面の敷地に合わせて、半階ずつ上がっていくスキップフロアの木造2階建ての住宅です。「窓から見える緑」だけでなく、「火のゆらめき」、「薪のこげるにおい」、「ぱちぱちと薪がはぜる音」などが、五感に語りかけてきます。ご家族のみなさんは、スローライフな暮らしを楽しまれているようです。

スローライフ - 薪ストーブがやさしいLDK 2006年のお正月に友人たちと一緒に訪問しました。(2006.01.09)


「薪ストーブがやさしいLDK」スローライフ

デッキにつながる掃き出し窓のとなりには、薪ストーブがあります。吹き抜けのあるLDKの大きな空間を、24時間暖めているのは、この薪焚きストーブです。この薪焚きストーブは触媒方式で、少ない薪でも長時間燃焼させることが可能です。30帖程あるLDKの暖房機器は、このストーブ1台だけです。

「薪ストーブがやさしいLDK」スローライフ

薪焚きストーブがあるのが「ソファーのリビング」、そこから5段の階段を上がると、「丸テーブルのリビング」があります。それぞれ10帖程あり、つながっています。このように床に段差があることを「スキップフロア」と言い、バリアフリーの思想では悪者になってしまいますが、上下する空間の変化の楽しさは魅力的なものです。

「薪ストーブがやさしいLDK」スローライフ 「いい住まい」の定義のひとつに、「座る場所によって部屋の雰囲気がかわる」というのがあります。もうひとつ「いい住まい」の定義に、「来客が長居をする」というのもありました。スタンドの灯りを付けました。

「薪ストーブがやさしいLDK」スローライフ

半階ずつ上がっていくスキップフロアを、南斜面の緑の中に浮かぶ船のように考えました。この住まいの設計をしていた1994年、私は29才でした。私は住まいを「船」にたとえるのが好きです。そのぼんやりとした理由は、住まいも船も、そこに乗り合わせた人たちは、運命共同体だと思うからです。

例えば、家族ひとりだけが、幸せだったり、悲しかったりするのではなくて、それらは、家族全員で共有するものだと思うのです。それが船であって飛行機ではないのは、窓から見える景色は大きく変化しないからです。

今日も明日も、昨日と似ているからです。毎日の生活の中で見失いがちな、人と人との距離、ささやかな発見、ありふれた期待みたいなものが、私の住まいに対する主題です。