キャスター付き台上にまるごと載せたソファ
リウマチのため車いすに乗っている50代の女性のために用意した、移動できる家具の話の続きです。前回はキャスター付きの大小のテーブルを紹介しました。このテーブルは、いすのほかに、ソファに座ってでも使えるようになっています。
2016.05.22
このソファは、ロック付きのキャスターを取り付けた台の上に、まるごと載せてあります。ソファは背を倒せばセミダブルのベッドになるもので、一般的なソファに比べると重たいものですが、キャスター付きの台に載せたことで、女性が車いすに乗った状態からでも、動かすことができるようになりました。
この移動できるソファは普段は、部屋の隅に置き、ベッドとして使うときに、部屋の中央に移動させています。彼女の家に客が泊まっていくことは、年に数回ほどです。
しかも、そのほとんどは両親です。ですから、客用寝室をわざわざ用意しておく必要はないにしろ、それに代わるものを準備しておきたいと考えました。
台の上にまるごと載せたことは、もう一つの効用がありました。テーブルに向かって使うには、従来はソファが低すぎたのです。
それが台に載せたことで15センチほど高くなり、ちょうど使いやすくなりました。彼女自身がソファに座った場合でも、体が埋まりすぎることがなく、立ち上がりやすくなりました。
テーブルやソファなどの家具の、高さや幅などは、数センチの違いでも、実際に使ってみると大きな差に感じるものです。こうした家具の寸法を決めるときは、どれほど慎重にやっても慎重すぎることはないでしょう。
なお、キャスターは大きめのものの方が楽に動かせます。また、こうして家具を移動させることができるのも、その前段階として、床の段差を完全になくしているからであることはいうまでもありません。