「家への出入り」が、バリアフリーの第一歩
〈103〉
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住まいのバリアフリーリフォームが必要になったとき、最初に考えることは「家への出入り」です。戸建て住宅の場合、道路面と室内の床面の高さは、70cm以上あることが一般的です。この段差を解決するにあたり、大切な選択があります。『玄関から出入りする』のか、『掃き出し窓など、玄関以外から出入りする』のかの選択です。
2019.01.22
A.玄関 : ポーチ階段+手すり
玄関ポーチの5段の階段に、手すりを取り付けました。
この階段の様に手すりは両側に付けた方が、昇り降りのどちらでも、
力の入りやすい利き手で手すりをつかめます。
また、斜めの手すりの両端を、30cm程水平に伸ばしておくと、
階段を昇り始める前に手すりをつかめるので、安全に昇降できます。
B.玄関 : スロープ
「いかにもバリアフリー住宅にしたくない。明るく楽しい住まいにしたい」との要望に応えた、玄関ポーチに続く遊び心のあるスロープです。
敷地はスロープを造るのには十分に広く、曲線スロープにしました。
スロープはコンクリートでなく石貼りに、花壇の脇を半周回る様に、
行き来するので、季節の花が咲き並ぶ、花壇を楽しめます。
C.玄関 : 段差リフト
カーポートとの距離を、できるだけ短くしました。カーポート面と、
室内床面との段差は「30cm」あり、スロープでは5m程の長さが、
必要になってしまうので、玄関ポーチに「段差リフト」を埋め込み、
昇降することにしました。仮に玄関室内にリフトを設置したとすると、
玄関内に段差ができ、狭い玄関では使いにくくなってしまいます。
D.掃き出し窓 : 階段+手すり
外出したい時は、晴天だけとは限りません。住まいてさんには、
天候に左右されずに、外出したもらいたいと考えました。
玄関周りには段差があり、玄関からではなく、庭に面している、
リビングの掃き出し窓から、出入りことになりました。
カーポートから階段のあるリビングまで、屋根を掛けました。
置き場所に困る、外用の車いす置き場にもなりました。
E.掃き出し窓 : スロープ
『車いすユーザーの主人のために、庭にスロープを作りたい』と、
奥様からのご依頼でした。手入れの行き届いた美しい庭の中心の、
鯉が泳ぐ池の脇を、弧を描くようのスロープを造ることにしました。
玄関からではなく、居間や寝室の掃き出し窓から出入りすることにし、
門扉からデッキまでを、長いスロープで結ぶことにしました。
F.掃き出し窓 : 段差リフト
入母屋造りの和風建築のお住まいです。玄関に立派な式台があるため、
土間から床面までの高さは50cm程あり、車いすでは困難でした。
車いすユーザーが気軽に外出できる様に、庭に面した広い縁側の外に、
「段差リフト」を設置して、縁側の掃き出し窓を出入り口としました。
立派な植木の隙間を、斜めにぬって駐車場からのスロープをつくり、
このリフトまでアプローチします。
G.掃き出し窓 : つり下げリフト
車いすで段差を伴う出入りするためには、「段差リフト」を利用する
ことが一般的です。しかし、段差リフトを設置するためには、
十分な奥行き(120cm以上)がないと設置できません。
そこで、段差解消の最後の手段として、道路と寝室のベッド脇とを、
空中で移動する、「つり下げリフト」を選びました。
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