マンション(6)- 工事は他室のことも考えて - 第30回

マンション(6)- 工事は他室のことも考えて - 第30回 フローリングへの変更は安易に考えてはいけない

マンションのリフォームを考える際には、管理組合に相談したり、管理規約を読んだりして、許される工事はどこまでなのかを必ず確認して下さい。最近は工事を始める前に、管理組合に許可を受けなければならないマンションが多いようです。


2005.05.09

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マンションのリフォームを考える際には、管理組合に相談したり、管理規約を読んだりして、許される工事はどこまでなのかを必ず確認して下さい。

最近は工事を始める前に、管理組合に許可を受けなければならないマンションが多いようです。分譲マンションといっても、建物の本体は共有物ですので、勝手に穴を開けたり傷をつけたりしてはいけません。

勝手に間仕切りを変更してしまい、問題になっているマンションが多いと聞いています。
とくに問題となりやすいのは、階下などへの音です。カーペットだった床をフローリングにすることを、まだまだ安易に考えている人が多いようです。

管理規約で禁止したり、防音性能の高いフローリングを指定したりするマンションも増えているようですが、そうした決まりがなくても、上下左右の住戸の人に事前に承諾を受けた方がいいでしょう。

今回、工事をしたマンションでは事前に管理組合の承認を受けました。車いすを使うのと木の温かさを求めたため、床はフローリングにしましたが、防音のためにフローリング材の下に防音マットを敷き詰めました。

また、水回りの間取りの変更は慎重さが必要です。単に、配管が長くなり、漏水の危険が増えるだけではありません。その水回りの発生音が階下に響くからです。ユニットバスや流し台から出る音を遮ることはかなり困難です。浴室やキッチンなどの水回りの位置は、変更が可能だとしても、あまり大きくは移動しない方がいいでしょう。

工事期間中はどうしても騒音が発生して、近所に迷惑をかけます。工事にとりかかる前に、周りの方にあいさつし、工事の予定を伝えるのは常識です。

マンションの工事では、他人の居心地を尊重することなくしては、みずからの居心地を考えることはできません。

大瀧雅寛 = 2001年05月09日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから