調理手順に合わせた、コの字型バリアフリーキッチン
〈119〉
https://ootaki.info/119/
「車いすで使いやすいキッチンにしたい」とのご依頼に、キッチンの全体計画から考えました。「コの字型」のバリアフリーキッチンは、調理手順に合わせ一筆書きの様に連続する、調理動線になっています。左から、冷蔵庫 → シンク → IHコンロ、最後はテーブルに到着します。
2019.01.07
左側の冷蔵庫から取り出した食材は、冷蔵庫右のカウンターへ並べ、
シンクで洗い、下ごしらえをして、IHコンロで調理します。
食器棚と冷蔵庫の前では、車いすから安全に立ち上がりたいので、
引き違い扉の食器棚を壁に固定し、手すりを取り付けました。
キッチンの下部は、車いすで奥まで入れるオープンスペースです。
キッチンの高さを決めるのは難しく、車いすでの調理に合わせるのか、
立っての調理に合わせるのか... 。「逆転の発想」で解決しました。
車いすでの調理を優先させることにし、立っての調理は低すぎるので、
その時は、キャスター付き椅子に座って、調理することとなりました。
車いすで入ってもひざに当たらない様に、浅型ステンレスシンクです。
シンクが浅いために水はねするので、水に強いウッドタイルの床です。
キッチンの引き出しは、IHコンロの右手側に作りました。
引き出し上段・中段は浅い高さにし、おたまなどの調理道具を収納し、
最下段には、ボトルを入れるために深い高さにしました。
引き出しの取手は、指にかかりやすい三角形の断面にしました。
コンロの下のワゴンには、フライパン、お鍋、ボールなどを置きます。
電子レンジとトースターの前には、スライド式の棚を取り付け、
トーストやレンジで温めたものを、そのまま載せることができます。
一筆書きの様な調理動線の末端は、どこからでも向かうことができる、
奥行きが浅く間口の広い形状の、「ピアノカーブ」のテーブルです。
テーブルの脚は奥にたててあり、車いすでの寄り付きに配慮しました。
いつでもお茶を飲める様に、ポットの定位置はこのテーブルです。
ゆっくりと時間をかけて、自分が食べたいものを自分で調理できる、
バリアフリーキッチンとなりました。
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