介護保険2 - おまかせ困る改修工事
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介護保険を使い、手すりの設置工事を依頼する場合、どこにどのように頼めばよいのでしょうか。
手すりを取り付けたいところに、テープをはって試してみる - 第02回 - 2000年10月12日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから
2000.10.12
介護保険を使い、手すりの設置工事を依頼する場合、どこにどのように頼めばよいのでしょうか。介護保険では住宅改修の工事について、とくに業者の資格を定めていません。ですから、リフォーム専門をうたう業者もいますが、まずは身近に工務店を探し、そこで相談されることをお勧めします。
近所や知り合いに工務店があればよいのですが、なければ病院や福祉施設に、介護保険関係の改修工事をした経験のある工務店を紹介してもらう手もあるでしょう。どのような業者に頼むにしろ、大事なのは依頼内容を事前に自分できっちりと考えておくことです。
この連載で後々、詳しく説明していくつもりですが、手すりの設置には目安があります。廊下など歩くところは横手すりを高さ80センチほどのところに、段差があるところや曲がり角は縦手すりを、トイレやふろなどはL字形が便利です。トイレの縦手すりは便器の先から30センチほどのところ、横手すりは便器の上部から25センチほど上、ふろの横手すりは浴槽の上部から20〜30センチほど上などです。
しかし、こんな教科書的な数字だけでは、現場では対応できません。個々人の差が大きいからです。身長も違えば、障害の部位も程度も違います。そのため、私が手すりの工事を準備するときによく使う手があります。「手すりがあればいいな」と思うところに、テープをはってもらうのです。数日間その架空の手すりを体感した上で、設置場所を決めてもらいます。
介護保険がらみの工事に限らず、住宅改修や建築の依頼で工務店や建築家泣かせなのが、要望をきっちりと伝えてくれない客です。新築など大きな工事で時間に余裕があれば、何度も面談して客の潜在的な要望を引き出すことも建築家の仕事だと、私は思っています。しかし、手すり工事ではそこまではなかなかできません。まずは自らテープをはってみてください。
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