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マンション(2)- 間仕切り壁の性質に注意を

〈026〉

マンションの選び方の続きです。今回は室内について検討します。間取りの変更など、大規模なリフォームをすることが前提ならば、室内の間仕切り壁の性質に気をつけてください。

マンション(2)- 間仕切り壁の性質に注意を

改装前のマンション内の様子。ここで見える間仕切り用の壁は取り壊した - 第26回 - 2001年04月11日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから

2001.04.11

マンションの場合、大別すれば2種類の壁があります。建物の構造にかかわるコンクリートの構造壁と、部屋と部屋、あるいは部屋と廊下を仕切るために設けた壁です。

一般的に、たたいてみて、鈍い音がするならば構造壁、軽い感じの音がするならば仕切るための壁です。

仕切るための壁ならば取り壊すことができますが、構造壁はさわることができません。建物の構造全体にかかわることなので、削ったり穴をあけたりすることもだめです。

前回の家族が選んだマンションは、間仕切り壁はほとんどが構造壁ではありませんでした。ですから、自由に間取りを変えやすそうでした。

車いすを使うようになると、寝室は広くなくてはなりません。夫婦一緒の寝室にして、介護用ベッドやポータブルトイレを置き、さらに車いすで室内を移動することを考えると、最低でも10畳以上のスペースが必要になります。

ところが実際には、リビング以外に10畳以上の部屋があるマンションは少ないので、隣り合った部屋の間仕切り壁を壊して、1つの部屋にしなくてはならないことが多いのです。そのためにも、壁の性質を知ることが大事なのです。

こうした物理的なことに加えて、窓から見える景色などマンションの環境も、障害がある人がいる場合、より重要な問題になります。

どうしても家にいる時間が長くなるからです。この家族の選んだマンションの場合、リビングの窓から見える景色の8割近くが緑で、気持ちのよい窓際だったことも、選択の重要なポイントになりました。

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