高さ(2)- 流し台・洗面台、使ってみて選択
〈038〉
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住宅内のベッドやソファ、浴槽や洋風便器などの「座る高さ」にも十分な考慮が必要です。ベッドは高さを調節できるものが便利です。低いソファは、体が埋まってしまい立ち上がりにくくなります。車いすを使う人の場合は、車いすの座面(だいたい45センチぐらいが多い)と同じになるように高さを決めます。腕の力で車いすから移動するので、高さに差があると困るのです。
高さを考えて作った洗面台 - 第38回 - 2001年07月14日 朝日新聞(東京本社版)夕刊マリオンから
2001.07.14
便器の座面の高さは、ふつうは40センチぐらいです。車いすの座面より低いので、私は便器の下に5センチほどの台を入れて車いすと合わせています。
高くした便器は、足腰が弱くなった高齢者にとっても、立ち上がるのが楽になります。ただし、あまり座面を高くすると、排便の際に力みにくくなるようです。
座る高さに関連して、気をつけたいのが、流し台や洗面台の高さです。車いす利用者のいる住宅では、流し台や洗面台の下部をオープンにして、ひざが奥まで入るようにし、車いすで使いやすいようにしています。
その場合、高さが低すぎるとひざが台にあたってしまいますし、高すぎるとひじが上がって使いにくくなります。
車いすの場合、ひざの高さは2通りあります。ある人のために洗面所を設計したときのことです。その人は、車いすのフットレストに足をのせたときの高さは61センチ、足を下ろしたときが54センチでした。
7センチも差があるので、どちらの姿勢で洗面台に向かうのかを考えてもらい、その上で高さを決めました。
できあがった洗面台は、いすに座っても使いやすいものになり、高齢の両親にも便利に使ってもらっています。
このケースは木製の特注でしたが、一般の住宅用の流し台や洗面台でも、最近は高さについてバリエーションが増えています。ショールームに出かけて実際に体験し、使いやすい高さを選ぶことが大事です。
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