マンションの洗面室、最低限の車いす対応リフォーム
〈112〉
https://ootaki.info/112/
購入したばかりのマンションを、車いすユーザーが暮らし始められる様に、最低限のリフォームをしました。充分な広さではない、この洗面室で解決したかったことは、洗面化粧台と洗濯機、廊下からの出入り口でした。新築なのでできる限り、工事を少なくする方法を考えました。
2019.01.13
洗面化粧台は間口1mのカウンタータイプで、左側には引き出し、
右側は収納で、両開き扉になっていましたが、車いすで使うには、
フットレストや膝が、その両開き扉にぶつかってしまいます。
そこで両開き扉を取り外し、底板の手前の部分をカットしました。
膝が入る様になると、車いすのアームレストが、カウンターを支える
補強板に、ぶつかってしまったので、補強板もカットしました。
おすすめできることではないのですが、車いす対応の洗面化粧台に、
取り替えることなく、既存の洗面台を車いすで使える様になりました。
洗面化粧台が解決すると、次は「洗濯機」の使い勝手を考えました。
車いすユーザーが使いやすい洗濯機は、横から使う「ドラム式」です。 ドラム式洗濯機に、車いすを横付けで近づきたいたいとのことでした。
そこで、「洗濯機の位置を変えずに、洗濯機を横向きに置き、
廊下のスペースを活用する方法」を、ひらめきました。
洗濯機を置く向きを「90度」変えただけ、洗濯機パンもそのままです。
廊下から入る洗面室の出入り口は、「片引き戸」でしたが、
今回のリフォームで、「引き違い戸」にしました。
引き違い戸ならば、左右のどちらからでも開閉することができ、
洗濯するときは戸を右に寄せ、洗面室に入るときは戸を左に寄せる、
車いすを横付けしての洗濯物の出し入れが、できる様になりました。
リフォームのご依頼をいただいた時、大切にしていることがあります。
・バリアフリーの機能を満たすだけでなく、丁寧なリフォームをする
・最初からそうだった様に、できるだけ細部や素材を合わせたること
・そもそも「リフォーム」しなくて済む、他の手段も考えること
ユニットバスの入口は片開きドアでしたが、車いすでは使いにくく、
引き戸には交換できなかったものの、折れ戸になら交換できました。
浴槽への入り方は、バスボードを利用することになりました。
バスボードはたくさんの既製品があるのですが、特殊な形状の浴槽
なので既製品が使えず、カーブに合わせて特注製作をしました。
このバスボードと、浴槽奥の壁に取り付けた手すりで、入浴できます。
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